埼玉革新懇ニュース(2021年5月10日埼玉版)
漫画家
比企郡小川町在住
白川忠志さんへのインタビュー記事
<「癒し」のある漫画を描きたい>
=世相を切り取り風刺で笑いを=
▽漫画の美しさに魅了され
私は高知県で生まれ育ちました。
小中学生の頃見た白雪姫やピノキオなどの
背景画面の美しさと絵が動くことに
強いショックを受けながら、
白紙に落とす墨汁一滴の匂いと墨縁に魅了され、
手塚治虫先生の「漫画大学入門」「マンガの描き方」の
教えを手本にして日々没頭し描いていました。
19歳で大阪で働いている時に、
東京で動画スタジオの動画描き募集を知り、
描き溜めた絵を持って上京し、即採用されました。
当時はテレビや劇場版アニメの黎明期、
東映動画入社は宝の山と感謝で手を動かし続けました。
後年アニメ界を背負っていく大塚康生さんや宮崎駿さん
高畑勲さんなどの影響も受けていきました。
▽原画にいのちを吹き込む
動画はワンカットごとの構造を表した絵コンテに沿う
キャラクターの演技を描き、
動画は原画の動きをさらに滑らかに動かし
感情やいのちを表現することで喜びを感じます。
「ハクション大魔王」「いなかっぺ大将」
松本零士さんの「銀河鉄道999」石ノ森章太郎さんの
「宇宙戦艦ヤマト」などの動画作成に携わり、
作品を動かしたことは大変楽しいことでした。
▽おもしろ、おかしく描く
原画作成に携わる中で、
自分自身の描いた絵がどれだけ通じるかを
試してみたいと思い、フリーになりました。
仕事の内容が変わらない日々が続きましたが、
新聞赤旗の一コマ漫画を見て、
「私の描きたいものはこれだ」と思いました。
その後、赤旗編集部に採用され、
赤旗紙面に掲載を始めました。
一コマ漫画は流行ってないと言われます。
見る人の気持ちをつかんでいないからではないかと思い、
しんぶん赤旗を真剣に読むようになりました。
一コマ漫画を見て、「うん」と頷く人がいれば、
仕事に意味があります。
与えられた小さなコマの中でどうやって見せるか。
見ることで普通の漫画と違うなという
特徴が出せればと思います。
そのまんま描くのではなく、
おもしろおかしく権力者を風刺したりして
描き出すことが大切だと思います。
▽くすっと笑える漫画を
漫画の掲載日は木曜日と土曜日です。
新聞記事を毎日ていねいに読んで、
どの記事を漫画にしたら良いかを選びアイデア、
構図を構成していきます。
掲載の前日は毎日大変です。
私が赤旗で一コマ漫画の連載を始めた2002年は、小泉政権でした。
歴代の首相は小泉、安倍、福田、麻生、民主党政権、安倍、
そして現在の菅政権になりますが、
自民党政治の劣化は目を覆うばかりです。
田中角栄の時代は批判も多くありましたが、
自分の主張を持っていました。
小泉政権のパフォーマンスからはじまり、
ウソの上塗りと政治の私物化は、
菅政権で最悪なものになっていると感じます。
政治の腐敗が進む中で、私はこれからも、
政治の風刺を描き続けたいと思っています。
落語家が一言しゃべって観客を笑わすように、
一コマ漫画も一コマで笑いが生まれることが大事です。
政治を風刺する漫画を描くにしても、
くすっと笑える「癒し」のある漫画を
書いていきたいと思っています。
編集者よりごあいさつ
初めまして
このサイトを運営させてもらっていますYMと申します。
白川さんとは古くからの知り合いです。
今こうしてサイトを一緒に運営できていることが嬉しく、
感謝の念が絶えません。
思い返せば、
白川さんとの最初の出会いは
小川町で始まった環境策定委員という会合の場でした。
もうかれこれ15年20年近く前になるでしょうか、
当時の増田町長が町民の思いを汲み上げ、
町政に活かしていこうとの思いで始めた委員会でした。
私も還暦を過ぎ、現役を引退しまして
幾分時間も取れるようになりました。
白川さんと時々お会いしますと、
赤旗に掲載されている一コマ漫画の事を
世の中の人に見て頂きたい・・
一コマ漫画から政治について思いをめぐらしていただきたい・・
と感じるようになり、
今こうして一緒にサイト運営をさせてもらっています。
ありがたいことです。
これからも、
皆さん時々、サイト訪問してみてください。
よろしくお願いいたします。
サイト共同運営者:YM